日本ではあまり知られていませんが、世界的に見れば、ヘミシンクと並ぶバイノーラルビートを使った潜在能力開発CDと言えば、ホロシンクです。
今回はホロシンクの入門編「Awakening Prologue」CD 3枚組のレビューを書いてみたいと思います。
ホロシンク(Holosync)について
ホロシンクは、Centerpointe Research Institute が、制作・販売しています、
Centerpointe Research Institute の創始者はビル・ハリスという人物です。
ビル・ハリスは世界的セラピストとして有名で、2011年に日本語版が出された「賢者の言葉」という本にもダライ・ラマ法王14世達とともにスピーカーとして登場しています。
その本によれば、ホロシンクの利用者は当時で全世界192カ国100万人に及んでいるそうです。そして現在では、利用者が193カ国200万人に上っています。
ホロシンク(Holosync) Awakening Prologue の概要
入門編「Awakening Prologue 」は3枚組のCD(またはmp3ダウンロード版)セットです。
内訳は
CD1 イントロダクション ビル・ハリスのお話 68分
CD2 トラック1”Dive” 30分、トラック2”Immersion” 30分
CD3 トラック1”Quietude” 30分-アルファ波、トラック2”Oasis” 32分 シータ波 (ボーナス・サウンドトラック)
つまり、ホロシンクプログラムの内容になっているのは、CD2のみです。
価格は、CD版で179USドル、mp3版でも159USドル と高額です。
日本のAmazonで買おうとしても、古い中古で18,000円以上もします。(2022年3月現在)
Amazonのぼったくり中古価格はともかく、CD3枚(メインとなる内容は1枚だけ)がなんでこんなに高いのか、その理由は後に述べるカスタマーサポートにあります。
ホロシンク “Dive” の内容
ホロシンクプログラムを始める人は、先ずトラック1”Dive”だけを14日間毎日聞くことになります。トラック2を聞いてはいけません。
トラック1”Dive” で聞こえるのは、柔らかい雨音と数種類のベル(チベタンベル?)の響きです。
もちろんバイノーラルビートも入っています。
バイノーラルビートは、10Hz前後(アルファ波)から始まって、次第に8Hz→7Hz→6Hz→5Hzと下がっていき、残り数分で2Hz(デルタ波)に到達するようになっています。
■1分23秒頃 左:149Hz、右:139Hz → 10Hz
■8分51秒頃 左:147Hz、右:140Hz → 7Hz
■8分51秒頃 左:143Hz、右:140Hz → 3Hz
ホロシンク “Immersion” の内容
ホロシンクプログラムの次の段階では、トラック1”Dive” とトラック2”Immersion”を続けて聞きます。
トラック2”Immersion”でも、聞こえる音は柔らかい雨音と数種類のベル(チベタンベル?)の響きです。
バイノーラルビートは、最初から最後まで
左:142Hz、右:140Hz(2Hzのデルタ波)
となっています。
ホロシンクでは、”Dive” →”Immersion”を最低半年は続けるように指導しています。
ホロシンクの感想
ホロシンクは、インサイトの上位互換バージョンである?
ホロシンクの “Dive”や “Immersion” を聞いて、すぐに思ったのは、今はなくなってしまったImmurama Instituteの「インサイト(Insight)」の雨音Ver によく似ているということです。
それは、次の2点にあらわれています。
1)背景の音は、雨音がベースになっている
「インサイト(Insight)」雨音Verも、ホロシンクも、背景に雨音が流れています。
雨音自体を比べると、ホロシンクの方が柔らかい音になっています。
2)脳波をアルファ波から始まって、次第に下げていく誘導プロトコル
「インサイト(Insight)」は、11Hz前後(アルファ波)から始まって、4Hz(シータ波)まで下がっていきます。
ホロシンクも同じく、アルファ波から始まって、次第に下げていくように設定されています。
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ヘミシンクの場合は、両者のように、時間につれて次第に変化するようなバイノーラルビートはあまりありません。
ホロシンクの方がお勧め
このように両者は似ていますが、インサイトよりホロシンクの方が、優れており、また、より上級者向けだと考えられます。
その理由は
1)雨音がホロシンクの方がリラックスしやすい
そもそも雨音は、とくに日本人には、小川のせせらぎや波の音のような他の自然音に比べると、リラックス効果があるのかは少し疑問です。
それでも、雨音が柔らかい分、ホロシンクの方がリラックスしやすいです。
2)バイノーラルビートがインサイトははっきり聞こえるが、ホロシンクはあまり聞こえない
どちらもバイノーラルビートの音量は同じくらいなのに、技術的な差を感じます。
3)キャリア周波数はホロシンクの方が理想的
バイノーラルビートを生成しているトーンの周波数(キャリア周波数)は、インサイトが115Hz前後に対して、ホロシンクは140Hz程度です。
ジョセフ・リックライダー博士(元米国MIT電気工学科教授)の主張に従えば、140Hz前後の方がバイノーラルビートの効果は高いです。
しかも、キャリア周波数が高くなれば、聞きづらさは増すのですが、ホロシンクは見事にその問題をクリアしています。
4)インサイトはシータ波(4Hz)まで、ホロシンクはデルタ波(2Hz)まで
どちらもアルファ波(10~11Hz)から始まって、時間経過とともに脳波を下げていくようになっているのですが、インサイトはシータ波(4Hz)まで、ホロシンクはデルタ波(2Hz)までです。
ホロシンクの方が、より低い脳波を目指すもので、上級者向きです。
価格が高い理由は
上に述べているように、ホロシンクは価格が高く設定されています。
それでも世界中に200万人の利用者がいます。
その理由は、カスタマーサポートにたいへん力を入れているからです。
あなたには「折角商品を購入したのに、ほとんど使用しなかった」ということはありませんか?
ホロシンクは、「買ったら使ってもらう」ための努力を惜しみません。
「実際に使用してもらうためにあらゆる手段を尽くす」ことをモットーにしているのです。
顧客には、購入時の礼状から始まって、アフターケアの手紙を2週間ごとに半年間送り続けます。
手紙には、ホロシンクを使用する目的を再認識してもらうため、使っているうちに起こりがちな問題を解決するための内容が載っています。
それを読んで、顧客があらためてやる気になり、途中で止めないような工夫がされているわけです。
なぜ日本に広まらないのか
ホロシンクは世界193カ国200万人の利用者がいるというのに、なぜ日本に広まっていないのか?
それは、上のホロシンクのモットーが影響しているようです。
日本語でホロシンクの理念に沿ったカスタマーサポートできる体制が出来ない限りは難しいかと思われます。
ちなみに、私の知人がホロシンクに尋ねたところ、90年代の後半に一時丸紅系の会社と提携していたが、すぐに解消したとのことでした。(古い記憶のまた聞きですので、どこまで正確かは不明です)
世界で200万人が使っているホロシンクに興味がある方は、Brain Sound Quest「瞑想2」がホロシンク・プロトコルを再現していますので、試してみてはいかがでしょうか。