久々にヘミシンク「マスターワークス(Masterworks): 名作」を聞きました。
バロック音楽でも、アダージョなどテンポの遅い楽章がメインなのでゆったりした気分になります。
加えて、リラックスの脳波=シータ波のヘミシンク周波数が入っています。
収録されている曲名について、出回っているものには疑わしい点がありますので、それを含めて書いておきます。
1.ヘミシンク「マスターワークス(Masterworks)」の概要
収録内容:9曲、45分
演奏:アルカンジェロス室内アンサンブル
制作:リチャード・ローレンス、ジョシュア・リーズ
アルカンジェロス室内アンサンブルの他の作品
「バロック・ガーデン」
ジョシュア・リーズ制作の他の作品
「バロック・ガーデン(Baroque Garden)」「癒しのためのへミシンク(Hemi-Sync Support for Healing)」
曲紹介
Baroque classics and Hemi-Sync® encourage a blissful, tranquil state.
Enjoy inner peace and transcendent relaxation as the Arcangelos Chamber Ensemble performs timeless gems. Use Masterworks for expanding awareness through musical imagery and self-exploration; for deeper, more profound meditation; or simply for musical enjoyment. Produced by Richard Lawrence and Joshua Leeds. (45 min)
https://hemi-sync.com/product/masterworks-album/ 公式ページより
心の平安とこの上ないリラクゼーションをお楽しみください。アルカンジェロス室内アンサンブルが、時代を越えたバロックの名作を奏でます。マスターワークスで、音楽性溢れるイメージと自己探求を通して、より深く、さらに深遠な瞑想状態を目指しましょう。あるいは、単に音楽を楽しむために聴いていただくこともできます。 制作:リチャード・ローレンス、ジョシュア・リーズ。(45分)
2.収録曲について
パソコン等に読み込んだときに表示されるCDDB(CDデータベース)だけでなく、Amazon等ショップの販売ページ でも収録楽曲を以下のように表示しています。
- Air from the “Air and Giga” – Dr. Thomas Arne
- Largo from Concerto No. 3 for Two Violins – Bach
- Pastorale from Concerto Grosso Opus 6, No. 8 – Vivaldi
- Adiago from Concerto Grosso Opus 6, No. 8 – Vivaldi
- Larghetto from Conceto Grosso Opus 3, No. 8 – Vivaldi
- Adagio from Violin Concerto, Opus 12, No.1 – Vivaldi
- Arioso – Bach
- Andante from Violin Concerto, Opus 10, No. 2 – Tomaso Albinoni
- Danse from “Tatare” – Francesco Salieri
ただこれが全部正しいのかは少し疑問があります。
以下に曲名を日本語に直したうえで、疑問点を述べておきます。
1.「アリアとジーグ」よりアリア (トーマス・アーン博士)
アリアは、叙情的、旋律的な特徴の強い独唱曲で、オペラ、オラトリオ、カンタータなどの中に含まれるものですが、広い意味でそのような独唱曲を想起させる曲を指しています。
バッハの「G線上のアリア」(管弦楽組曲第3番第2楽章)が有名ですね。
ちなみにジーグは、バロック時代に流行した、急速で活発な舞曲の形式です。
トーマス・アーンはバロック期に活躍したイギリスの作曲家で、イギリスの愛国歌「ルール・ブリタニア」を作曲者として著名な人物のようです。
ただ、トーマス・アーンの作品リストをWikipedia や Naxos のデータベースで検索しましたが、「アリアとジーグ」のような作品はありませんでした。
2.「2つのバイオリンのための協奏曲第3番」よりラルゴ(バッハ)
有名なヨハン・セバスティアン・バッハ(J.S.バッハ)を調べましたが、「2つのヴァイオリンのための協奏曲」は1つだけで、第3番など見当たりませんでした。
まあバッハといっても、Naxos のデータベースで検索したら、22人もいましたので他のバッハかもしれませんが…、
しかし、私が記憶する限りでは、この曲は、J.S.バッハ「2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV 1043 第2楽章 Largo ma non tanto」と思われます。
3.「合奏協奏曲 作品6-8」よりパストラール(ヴィヴァルディ)
パストラール(またはパストラーレ)は、牧歌的な性格を持った音楽です。
ヴィヴァルディの作品リストに「合奏協奏曲 作品6-8」は見当たらず、作曲者はアルカンジェロ・コレッリ(Arcangelo Corelli)ではないかと思われます。
つまり、コレッリの「合奏協奏曲 ト短調 「クリスマス協奏曲」 Op. 6, No. 8」から Pastorale ad libitum: Largo ではないでしょうか?
4.「合奏協奏曲 作品6-8」よりアダージョ(ヴィヴァルディ)
ヴィヴァルディの作品リストに「合奏協奏曲 作品6-8」は見当たらず、わかりませんでした。
5.「合奏協奏曲 作品3-8」よりラルゲット(ヴィヴァルディ)
ラルゲットは、「Largo(ラルゴ)よりやや速く」という意味になります。
題名の通り、ヴィヴァルディのコンチェルト・グロッソ(合奏協奏曲)作品3-8 RV522 かと思われます。「2つのヴァイオリンのための協奏曲 作品3-8, RV 522」とも。
6.「ヴァイオリン協奏曲 作品12-1」よりアダージョ(ヴィヴァルディ)
題名の通りです。
7.アリオーソ(バッハ)
バッハのアリオーソとして知られています。
正式には、バッハのカンタータ156番 「片足は墓穴にありてわれは立つ」となっています。
アリオーソ(Arioso)は「歌うように」という意味です。
8.「ヴァイオリン協奏曲 作品10-2」よりアンダンテ(トーマス・アルビノーニ)
題名の通りです。
「5声の協奏曲 作品10-2」(トーマス・アルビノーニ )と言われる場合も。
9.「タタール」より「ダンス」(フランチェスコ・サリエリ)
映画「アマデウス」に出てくるアントニオ・サリエリ(悪役でしたね)の歌劇「タラール」のなかの1節かと思われます。
フランチェスコ・サリエリという人物が作曲した作品というものはネット検索では見つかりませんでした。フランチェスコ・サリエリという名は、アントニオ・サリエリの兄にありますが、ヴァイオリニストだったとのことです。
*ご注意
楽曲リストの疑問点を書き出しました。多分この曲ではないかと紹介した曲は、作品を1つ1つ聞き比べて確認したわけでもないですし、ヘミシンクに合うようにアレンジされていることもあって、正しいかは自信はありません。
まとめ
ヘミシンク「マスターワークス(Masterworks)」は、バロック音楽とシータ波のヘミシンク周波数を組み合わせて、リラックスや瞑想用におすすめのCDとなっています。
ただ、表示されている楽曲が合っているかは疑問が残ります。
ヘミシンクの公式サイトには情報はありませんでした。曲名は気にしないで楽しめばよろしいかと思われます。
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